堀江敏幸さんが『バレンボイム音楽論』を絶賛!

バレンボイム音楽論

本日(3/15)付けの中日新聞・東京新聞に『バレンボイム音楽論』の書評が掲載されました。評者は作家の堀江敏幸さん!
「他者の声を聞く重要性」
http://www.tokyo-np.co.jp/book/shohyo/shohyo2009031504.html

 感性や情動は、理性とむすびついたとき、はじめて豊かなものとなる。その豊かさのなかで、音楽は私たちに過去と現在をつなげる術を教えてくれる。「それぞれの声部の主張を把握しながら複数の声部を同時に聞き取る能力」の重要性。他者の声を聞かずして自分の声は生きない。知性と感情と気質の均衡を養う音楽は、要するに他者を理解するための、最も基本的な手段となりうるのだ。バレンボイムの耳はその、人としての原音に向けられていたのである。

本書の日本版タイトルをあえて「音楽論」としたのも、そして副題を「対話と共存のフーガ」としたのも、まさに堀江さんがおっしゃるように、「音楽を学ぶことが、他者と共存するための理性を養う」というマエストロの信念に共感したからです。そこを深く汲んでくださったことを、心からうれしく思います。

[木村]