5/4付けの信濃毎日新聞にて、女優で作家の中江有里さんが久保田慶一さんの『モーツァルト家のキャリア教育』を書評してくださいました。
[モーツァルトの父レオポルトは]愛情あふれる父親で教育者、一方で功名心が強く、家庭では暴君のように支配的な男。若かりし頃は自らの夢のため家族と決別したのに、息子はいつまでも縛ろうとする──それらが息子のキャリア教育へとつながったのが面白い。
皮肉なことに成長したヴォルフガングもかつての父と同じように家族と離反していく。名音楽の誕生への道筋は、一筋縄ではなく、父への反発と対抗心でできていたのだ。
芸術家の才能を持つ子の親のみならず、人を育てるという普遍的な営みについて考えさせる。
内容への深い共感にあふれた書評、うれしく読ませていただきました。
[木村]