4/17(土)にジュンク堂書店池袋本店にておこなわれた高橋源一郎さんと片山杜秀さんのトークセッション「書評になにがわかる!」。稀代の聞き上手の高橋さんに片山さんのマシンガントークもいつもの数倍の破壊力で炸裂。会場は爆笑の渦につつまれました。
さまざまな話題がでましたが、印象にのこったのは「片山さんの4冊の本に、むりやりコピーをつけるとしたら、『アイデンティティは一つじゃダメ!』というのはどうか」という高橋さんの言葉。本職(?)の政治思想史研究のかたわら音楽評論家としても大活躍する片山さん(それだけでなく、映画や芝居、歌舞伎などなども)は、まさにマルチ・アイデンティティのひとですね。
高橋さん、トークセッションの前後にTwitterで、さかんに片山さん関連の話題をツイートしてくださっていますので、引用させていただきます。
http://twitter.com/takagengen
今日、ジュンク堂で片山杜秀さんと対談があるので(すいませんが、すぐに満員になりました)、片山さんの本をもう一度、最初の『音盤考現学』から『音盤博物誌』、『クラシック迷宮図書館』、『続クラシック迷宮図書館』と読み返していった。いや、ほんと、頭がクラクラするぐらい面白い。
でも、片山さんは専攻が政治学なのに、本職(?)の方を読んでいないので、申し訳ないです。そういえば、ぼくが大学に勤める時、大学側の人事委員として面接してくださった、いま同僚の原武史さんに、面接の場で「書評、ありがとうございます」といわれて、なんのことやら、とポカンとした覚えがある。
原さんが「あの鉄道本の著者」、「鉄っちゃんの原さん」と同一人物だと知らなかったのだ! 原さんも専門は政治思想史。政治学や政治思想を勉強していると、ジキルとハイドになっちゃうのかも。この片山さんの4冊本もメッセージはシンプルだと思う。要するに「アイデンティティーは一つじゃダメ!」。
駅ソバについて語るのと同じ情熱で天皇について語り(逆か?)、政治について語るのと同じように「ゴジラ」の音楽について語る。それがグローバリズムを超える、もしかしたら唯一の道なのかも(『続迷宮図書館』での、ユダヤ人バレインボイムとパレスチナ人サイードの会話について語るところは必読)。
ジュンク堂まで来たくださったみなさん、ありがとう。片山杜秀さん、ぼくも初対面でしたが、面白い人、っていうか、キャラの濃い人でしたね。頭がいいとかいう段階は遥かに超えてました。「本を目方で買う」というコピー、そんなに間違ってないみたいです。CDとレコードだけで5~6万枚。本も同様。
本とCDやレコードの収納できる場所を求めて、茨城の工務店の社長の会社兼住宅を買ったんだそうです。しかも、いまなお、本やCD等々を買うだけでなく、日々、CSなぞで放映される日本映画を一日何時間も録画しつづけている。「見る暇ないでしょ」と申し上げたら「はい」と答えられました。
素晴らしきかなおたく! そんな片山さんを形成するに至ったルーツは、小・中・高と男子校の暁星に通ったことではないかと本人も述懐されていた。暁星って卒業式や入学式で、日本国旗とフランス国旗が並び、「君が代」と「ラ・マルセイエーズ」が続けて演奏されるんだそうです。いいじゃないか、それ!
でもって、片山さん、ツイッターのアカウントは取得されているのに、まだツイートはされてないそうです。ぜひ、やってください! お願いします。
高橋さん、どうもありがとうございました!
<!–
100417_junku.jpg
–>