『intoxicate』10月号(通巻112号)にて、近藤譲さんの『線の音楽』が紹介されました。といっても、オリヴァー・サックスの『音楽嗜好症』(早川書房)の書評のなかに出てくるだけですが。その部分を引用します。
最近復刊された作曲家近藤譲の『線の音楽』は、アーティキュレーションとグルーピングという概念を用い、二つ以上の音が以下に音楽化(構造化=作品化)されるかについての分析を試み、さらに自身の作品を創り出す方法に至った過程を示す。そこでは歴史(音楽史)──つまり記憶──が、生成する音に及ぼす作用とその反作用として新しい音楽を生む力学が語られるが、記憶の総体=歴史の外にでることの不可能性の中でこそ新しい音楽が生成し新しい音楽経験を生むことを再確認し、音と記憶は社会的コンテクストの中で音楽を生み出だしていることにあらためて気がつかされる。
評者は高見一樹さんです。
[木村]