作家の高橋源一郎さんが朝日新聞「論壇時評」で片山杜秀さんの『線量計と機関銃』をとりあげてくださったのは既報のとおりですが、こんどは『文學界』11月号にて、なんと、ご自分の連載「ニッポンの小説・第三部」をまるごと1回(全8ページ!)あてて、同書を論じておられます。書評というのでもなく、ひとつの文学作品として『線量計と機関銃』を読み解いているのがすごい!
……片山さんは、おかしな文章を書く人である。[中略]片山さんは、ふつうの人が気づかない「世界のつながり」が見えてしまうのである。
ぼくは、この、片山さんの書くような(というか、音楽もかけてるんだけど)文章こそ、文学じゃないのか、と思った。 この、見たことも、聞いたこともないものの組み合わせ、遠く、かけ離れているようなことばの繋がりを、文学っていうのではないか。
この練達の読書家をして、このように驚嘆せしめる片山さんの頭の中って、いったいどうなっているんだろう、と思わずにはいられません。高橋源一郎による異色の「片山文学論」。必読、です。
[木村]