彼は、良い香りのする音楽を作る。
そして、人はそこで胸いっぱいに深呼吸するんだ。
──クロード・ドビュッシー
デオダ・ド・セヴラックは、私の芸術生活の最良の思い出のひとつです。私は彼に賛嘆の念を惜しみません。
──パブロ・ピカソ
真に印象主義者といえる音楽家は、ドビュッシーとセヴラックだけである。
──ミシェル・シオン
楽壇の中心であるパリに背を向け、ラングドックの自然と生活を描いた音の画家。
師ダンディが愛し、ドビュッシーやラヴェルが賛嘆した天才作曲家の生涯と作品がいま蘇る!
A5判・並製・248頁(予定)
定価:本体2400円[税別]
発売:2011年9月16日
ISBN978-4-903951-46-1 C1073
装丁:折田 烈(餅屋デザイン)
●内容
デオダ・ド・セヴラック(1872−1921)は19世紀から20世紀への時代の転換期に、フランス楽壇の中心であるパリから距離を置き、 南仏を拠点に活躍した作曲家。「地域主義」ともよばれる独自の創作美学を標榜・実践し、ピアノ曲《ラングドックにて》をはじめとする珠玉の作品は、師ダンディをはじめ、ラヴェルやドビュッシーも絶賛した。舘野泉をはじめ、その作品に魅せられたピアニストは数多い。フランス近現代音楽および現代思想を研究する著者が、セヴラックの思想や作品の投げかける現代へのメッセージを読み解く本邦初の伝記。巻末に作品表、年譜、ディスコグラフィを付した。
〈叢書ビブリオムジカ〉シリーズ、創刊第2弾!
●著者プロフィール
椎名亮輔(しいな・りょうすけ)
1960年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科比較文学比較文化博士課程単位取得満期退学。パリ第8大学音楽学部博士準備課程をへて、ニース大学文学部哲学科博士課程修了。哲学博士取得。東京大学助手、パリ第3大学講師、リール第3大学講師をへて、現在は同志社女子大学音楽学科教授。著書に『音楽的時間の変容』(現代思潮新社)、『狂気の西洋音楽史』(岩波書店)。主要訳書に、マイケル・ナイマン『実験音楽』(水声社)、ドメル=ディエニー『演奏家のための和声分析と演奏解釈』(シンフォニア)、ジャクリーヌ・コー『リュック・フェラーリとほとんど何もない』(現代思潮新社)などがある。
●目次
本書の出版に寄せて(ピエール・ギヨー)
デオダ・ド・セヴラック 南仏の風、郷愁の音画
あとがき
索 引
作品表
年 譜
ディスコグラフィ
参考文献
譜 例
●関連情報(書評/イヴェントほか)
デオダ・ド・セヴラック